【プロとアマの微妙な関係】プロ野球選手は引退しても息子とキャッチボールができない!?一方、アメリカは?

一時は完全断絶状態だったプロとアマ。徐々に雪解けへと向かうが・・・

元プロ野球選手はアマチュア選手を自由に指導できない、という話を聞いたことがある方は多いことでしょう。50年以上前の「柳川事件」が原因で一時は完全に断絶していたプロとアマ。長い年月をかけて徐々に雪解けへと向かっている両者の関係は、今後はどうなっていくのか。過去の経緯やアメリカとの違いにも触れながら考えていきます。

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元プロのアマチュア選手指導には「資格回復講習」の受講が必要

元プロが高校生以上のアマチュア選手に指導を行うことは、特定球団との癒着、ひいては引き抜き行為につながる恐れがあるとして禁止されています。

よって息子とのキャッチボールでさえ公には出来ないということになります。

現在は再び指導出来るようになるためには「資格回復講習」という2日間の講習を受講を受ければよいのですが、以前は指導者となるには長い年月が必要でした。

56年前の1961年に起きた柳川事件(※)よって1984年までは両者は完全に断絶。指導者復帰への道は閉ざされており、その後「10年間の教員として勤務実績が必要」という条件に緩和されました。

そして、徐々に必要年数が1994年に「5年」、1997年に「2年」と短縮され、2013年に講習受講のみという条件まで50年以上をかけて緩和されました。

 

アメリカではプロとアマの関係はどうなっている?

野球の本場、アメリカではプロ・アマの関係はどうなっているのでしょうか?

アメリカでは引退したメジャー・マイナーリーガーがアマチュア球界にプレーヤーとして復帰することを制限するルールはありません。

指導者への復帰についても同様に制限はなく、マイナーリーガーが現役中に生活費を稼ぐために学生野球の指導にあたることも一般的ですし、引退後に正式なコーチとして年間数百ドルの報酬を得て指導するケースも多くあります。

日本と比べて、プロ・アマ一体となって上質な指導体制の整備、そして技術指導によって選手が収入を得られる仕組みを整えていると言えるでしょう。

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今後日本のプロ・アマ間の関係、野球界はどうなっていくべきか

一時の完全な断絶状態から50年以上の時間をかけて、完全和解一歩手前の段階にまできているプロとアマ。ただ、これでプロ野球選手の技術指導が広く行きわたるようになるかというと、そこまでの楽観視は出来ないと思われます。

  • 学法石川高校・投手コーチ 山室公志郎(元ロッテ・投手)
  • 金沢学院高校・監督 金森栄治(元西武・外野手)

この2人を筆頭に近年では同講習の受講によりとして活躍していますが、依然として元プロが現場の指導者として指導に携わっている例は多くはありません。

現状では高校の教員がボランティアに近い形で指導しているケースが大多数であり、専任で外部コーチを雇用しているのは強豪校か、野球によって知名度向上を目指す新興校ばかりです。

指導者として安定した収入を得るためには教員となる、すなわち大学で教職課程を取得した上で教員採用試験を突破しなければならないという高い壁が存在していることが大きいでしょう。

今後さらにプロの技術がアマチュアへ伝わるようになるためには、2つの条件があります。

1つはアマチュア側が指導者となるための条件を完全撤廃することで、より人材の流動性を高めることです。「指導者資格の回復」という言葉を使っている内は厳しいでしょう。

そしてもう1つは、指導を受ける側が「上質な指導を受けるにはお金が必要である」という感覚を持つことです。勉強に関しては塾や予備校に多額の授業料を払うのが一般的な反面、スポーツの指導に関してはわずかな日当で指導に当たっている教員やボランティアで練習を手伝っている学生コーチの存在に頼り切りな側面があります。

強豪校や新興校以外にもプロの指導が行きわたるようにするためには、アメリカのように野球で収入を得られる仕組みをプロ・アマ一体となって作っていく必要があるでしょう。

※柳川事件とは

1949年に結ばれた「プロ・アマ協定」によって、社会人野球のシーズン中である4月1日~10月31日まではプロ球団がアマチュア選手を獲得することが禁止されていたが、中日ドラゴンズがこれを破り、1961年4月20日に当時日本生命野球部に所属していた柳川福三内野手を獲得したことでプロ・アマ間が断絶する原因となった事件

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斎藤孝博ライター

投稿者プロフィール

プロ野球記事を中心に執筆しています。
バックパッカーとして世界を放浪していた経験があり、キューバやドミニカ共和国の子供に野球を教えていました。


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