【高校軟式】「延長50回」球史に残る延長戦を繰り広げた軟式野球強豪校のセオリーとは

  • 2017/8/2
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現地観戦で感じた軟式野球の戦法

2014年8月、第59回全国高等学校軟式野球選手権大会の決勝の舞台で激突した、中京(岐阜)と崇徳(広島)。試合は双方無得点のまま進み、なんと3日間で延長50回という死闘になりました。

ここまで締まった試合となった要因はなんだったのでしょうか。この試合を現地観戦して感じた、軟式野球ならではのセオリーを紹介したいと思います。

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1.三塁手は前進守備

両校とも三塁手がサードベースより2、3歩前に守っているのが印象的でした。三塁線を抜かれるリスクは高まるものの、軟式特有の高く跳ねるゴロや勢いを失った打球への対応力を重視してのことでしょう。

 

2.内野の送球はワンバウンドを徹底

両校とも、二塁手・投手の一塁寄りの送球以外は、全内野手が一塁へワンバウンド送球をしていました。硬式よりも高くバウンドする上に、勢いが弱まる軟式では、送球が左右や上に逸れるリスクを減らすために、ワンバウンド送球が合理的なのでしょう。

そして皆、一塁手が捕りやすい位置でバウンドさせていたのも印象的で、どれほど鍛えあげられてきたがよくわかります。

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3.無駄な四球を出さない

両投手とも制球が抜群で、延長50回になってもストレートや変化球を低めに集めていたのが印象的でした。硬式と比べて打球が飛ばないため、長打のリスクが少ない軟式野球。したがって、四球で塁に出すくらいなら、前に飛ばさせてしまった方が打ち取れる確率が上がるのでしょう。

なお、両投手の成績は以下の通りです。

  • 松井投手(中京)50回 709球 打者179 被安打26 三振35 四死球16 失点0 自責点0
  • 石岡投手(崇徳)50回 689球 打者184 被安打22 三振24 四死球16 失点3 自責点3

いかがでしょうか?

草野球では硬式野球部出身の選手がチームの中心メンバーになることが多く、戦術面でも「硬式のセオリー」が採用される傾向にあります。

しかし、軟式には上記のような守備位置やワンバウンド送球の他にも、「ランナー三塁でのエンドラン」が有効であったりと、「軟式のセオリー」が存在します。一度、当たり前と思っていたセオリーを見直してみることで、チーム強化のヒントが見つかるかもしれませんね。

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斎藤孝博ライター

投稿者プロフィール

プロ野球記事を中心に執筆しています。
バックパッカーとして世界を放浪していた経験があり、キューバやドミニカ共和国の子供に野球を教えていました。


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