投手王国世代の予感!高卒2年目の1998年世代に注目〜1年目の成績は?
- 2018/3/16
- プロ野球
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ルーキーイヤーから2軍で活躍!1年目の成績に見る、潜在能力の高さ
新人の年から実戦で多くの投手が投げており、なおかつ結果を残している選手が多い1998年世代の投手たち。
ドラフト会議前には履正社高校寺島成輝投手、横浜高校藤平尚真投手、花咲徳栄高校高橋昂也投手の3人で「高校ビッグ3」とも呼ばれていました。彼らを中心としたこの世代の投手たちはプロ入り後どのような活躍をしているのか?
今回は2016年のドラフトで指名された、高卒「1998年世代」の投手をご紹介します。
東北楽天ゴールデンイーグルス 藤平尚真(横浜高校・ドラフト1位)
1年秋から名門横浜高校のエースナンバーを託されていた藤平投手。甲子園での成績は13回を投げて20奪三振 防御率0.69という成績を残しています。そして、ドラフト1位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団し、今後は則本投手に次ぐエースとして期待されています。
ルーキーイヤーの2017年は、1軍クラスの選手が多かった巨人の2軍を相手に好投するなど、2軍で79回を投げ、防御率2.96 奪三振 91 という好成績を残しました。1軍昇格後も37回⅓を投げ、防御率2.65 奪三振38と安定した投球を見せました。
投手としての特徴は、球速表示以上に打者の手元でノビが感じられる最速152キロのストレートと切れ味鋭いスライダーで三振を多く奪う投球スタイル。
高校時代から非常に優れていた奪三振率は、プロ入りしても健在で高卒1年目ながら2軍では奪三振率10.37を記録し、1軍でも奪三振率9.16を記録しました。
オリックスバファローズ 山本由伸投手(都城高校・ドラフト4位)
都城高校からドラフト4位でオリックスバファローズに入団した山本投手。甲子園出場はなく甲子園出場投手やU-18代表の投手に比べて、当時の注目度は決して高くはありませんでした。
しかし、高校2年の夏の宮崎県新人野球大会決勝ではノーヒットノーランを達成や秋の宮崎県大会5回戦では参考記録ながら完全試合を達成するなど、実力は十分。巨人やソフトバンクの指名候補にも名が挙がっていました。
プロ1年目、2軍での成績は33回⅓を投げ、防御率は0.27。圧倒的な成績を残します。1軍昇格後は藤平投手に次ぐ19回⅔を投げ、防御率4.12という成績でした。
この投手の特徴は、最速152キロのストレートとスライダーやフォークを軸に多彩な変化球を中心に抑えていく投球スタイルです。
北海道日本ハムファイターズ堀瑞輝(広島新庄高校・ドラフト1位)
広島新庄高校からドラフト1位で北海道日本ハムファイターズに入団したこの投手は、甲子園で評価を上げたというよりも、U-18アジア野球選手権で最も評価を上げた選手といっても過言ではありません。
U-18アジア野球選手権では、主に中継ぎや抑えでプレッシャーがかかる場面での登板が多い中9回2/3を投げ、被安打1、18奪三振という素晴らしい投球し、決勝でも2番手でマウンドに上がり、4回を8奪三振1四死球無失点の完璧な投球をして勝ち投手になり日本の優勝に貢献しました。
また、高卒1年目ながら侍ジャパンの稲葉篤紀監督の目に止まり、アジアチャンピオンシップの代表に最年少で選出されます。そして、3月に行われたオーストラリア代表との強化試合にも選出され、今シーズンは開幕から先発なり中継ぎなり1軍での戦力として期待されています。
この投手の特徴は、左のサイドハンドながら最速150キロのストレートに切れ味鋭いスライダーやチェンジアップを駆使して打者を打ち取っていくタイプなので先発でも北海道日本ハムだと宮西投手のようにリリーフでも活躍できる力はある投手です。
東京ヤクルトスワローズ寺島成輝(履正社高校・ドラフト1位)
履正社高校からドラフト1位で東京ヤクルトスワローズに入団したこの投手は、高校1年秋からエースであり、注目選手でした。
大阪桐蔭高校になかなか勝てず、甲子園のマウンドになかなか立つことができませんでしたが、3年春にようやく大阪府大会と近畿大会で優勝を飾り、夏の大阪府大会でも優勝。6年ぶりの夏の甲子園出場に貢献します。
また、甲子園では横浜高校を1失点に抑えるなどの活躍を見せ、U18アジア野球選手権に選出され、登板した2試合の合計で12回25奪三振という驚異的な成績を残して左投手の優秀選手に選出されました。
そして、プロ入団後はキャンプ中に怪我して出遅れたましたが、実戦復帰すると2軍では19回を投げ、防御率2.37 奪三振19を記録し1軍の登板も経験しました。また、シーズン終了後にウィンターリーグにも参加し今シーズンはさらなる飛躍を目指しています。
この投手の特徴は、最速150キロのストレートとカットボールやチェンジアップを駆使して抑えていく投球スタイルです。現在のスワローズは、左腕の先発投手が少ないため、寺島投手は将来のエース候補筆頭として背番号18を与えられるなど、大きく期待されています。
広島東洋カープ高橋昂也投手(花咲徳栄高校・ドラフト2位)
花咲徳栄高校時代は、2年夏に初めて甲子園のマウンドを経験。準々決勝では優勝校の東海大相模を相手にリリーフで登板し、4回⅓1/3を投げて自責点1という好投を見せました。しかし、この試合では負け投手に。その悔しさをバネに高校3年ではエースとして春夏甲子園の出場を決めます。
3年夏の埼玉県大会では、37回を投げ、52奪三振 防御率0.00という驚異的な成績を残しました。特に、5回戦の滑川総合戦で6回参考ながら完全試合を達成しました。
最後の夏の甲子園では、今井達也投手を擁する作新学院に敗れましたが、U18アジア野球選手権の代表に選出されました。
その大会では、韓国戦に登板しブーイングが多い中、7回2/3を投げて9奪三振1失点の好投を見せて強い精神力も見せました。
そして、プロ入り後は1年間2軍で過ごし、28回を投げ防御率1.29を記録しました。ファーム日本選手権でも先発し、6回2失点で勝ち投手となっています。
高橋投手の特徴は、高校2年の段階では145キロを甲子園で記録し、高校3年には最速152キロのストレートとスライダーとフォークを中心に抑える投手です。
1年目から順調なステップアップをしているので、今シーズンは左腕の先発が少ないのもあり、チームの開幕ローテーションの候補です。
阪神タイガース 才木浩人(須磨翔風高校・ドラフト3位)
須磨翔風高校時代は、2年春にエースとして高校創部初の県大会4強入りに貢献。しかし、そのベスト4がチームとしては最高の記録で、甲子園出場がなく高校生活が終了しますが、各球団のスカウトも高いポテンシャルを評価していました。
プロ入り後は2軍で55回⅓を投げ、50奪三振 防御率は4.88をマーク。高卒1年目ながら多くの登板機会を与えられ期待されていることがわかります。
この投手の特徴は、高い身長から投げ下ろす最速150キロのストレートとスライダーを中心とした本格派の投手です。
読売ジャイアンツ 大江竜聖(二松学舎大附高校・ドラフト6位)
二松学舎大附高校時代は、高校1年からベンチ入り。高校2年の夏では東東京大会で12回1失点の成績を残して甲子園出場に貢献しました。
また、次の春の選抜にも出場し松山東高校に、敗れはしたもの16奪三振を記録しました。
高卒1年目ながら2軍で62回⅔ 防御率2.30を記録しました。
この投手の特徴はずば抜けて体格が良いわけでもないですが、最速149キロのストレートとスライダーを軸の投球スタイルで抑える投手です。2017年のジャイアンツの新人では2軍ながらずば抜けた成績を残し、2018年の飛躍を期待されています。
苦しみながらも再起を誓う甲子園優勝投手
一方、1年目は思うように投げられずに、シーズンを過ごした選手もいます。
埼玉西武ライオンズ 今井達也(作新学院・ドラフト1位)
甲子園優勝投手、高校生侍ジャパンのエースとして注目を集めていた今井投手。
しかし、プロ入り後は故障の影響でイニングを投げる機会が上記の選手ほどは与えられませんでした。
一方で、身体のコンディションが良い時にマウンドに上がると、2軍ながら15回⅓を投げ、防御率2.35 奪三振21を記録。奪三振率は驚異の12.33を記録し、ポテンシャルの高さをみせています。
そんな中、2018年のキャンプ前に未成年喫煙が発覚し、謹慎処分に。2018年シーズンも出遅れることになりますが、心身ともに万全の状態でマウンドに戻って来ることに期待しましょう。
これから楽しみな投手が豊作な世代
2018年から高卒の新人として入団した1999年生まれの世代は、清宮幸太郎選手、安田尚憲選手、中村奨成選手をはじめとした増田珠選手、村上宗隆選手などの大型野手が主に担っている世代。一方で、今回ご紹介した1998年生まれの世代は昨年の2軍の成績や今年のキャンプの実戦形式の投球を見ていても、ピックアップした投手以外も全体的に豊作で、「投手王国世代」となる可能性を秘めています。
他にも福岡ソフトバンクホークスの古谷優人投手や横浜DeNAベイスターズの京山将弥投手や東京ヤクルトスワローズの梅野雄吾投手なども注目選手です。
また、怪我等で出遅れている投手も高いポテンシャルを秘めており、これから先楽しみな投手が多いこの世代。まだ2年目ということで長い目で「1998年世代 高卒投手王国」に注目していきましょう!
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