あなたが侍ジャパン外野陣を選出するなら誰を選ぶ?歴代の布陣を辿り考えてみた

  • 2018/3/26
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カギは適材適所のポジション配置と攻撃のバリエーション

2018年3月3日、4日に行われたオーストラリアとの強化試合。侍ジャパンの外野陣は

  • 柳田悠岐 (福岡ソフトバンクホークス)
  • 上林誠知 (福岡ソフトバンクホークス)
  • 秋山翔吾 (埼玉西武ライオンズ)
  • 松本剛 (北海道日本ハムファイターズ)
  • 筒香嘉智 (横浜DeNAベイスターズ)

以上5選手が選出されました。

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今回の5選手以外にも、カープの鈴木誠也選手や丸佳浩選手、ファイターズの西川遥輝選手など、実力のある選手が数多くいる日本プロ野球。過去の大会を見ても、外野陣の起用法、そして活躍は大会の順位に大きく関わってきます。

今回は、過去の大会の外野陣を振り返るとともに、今後の侍ジャパン外野陣をどう組むべきかを考察していきたいと思います。あなたが監督なら誰を選出しますか?

 

過去の日本代表の外野陣は?

2004年アテネ五輪 銅メダル

過去の代表だとオールプロで一番最初に挑んだアテネ五輪は、6人外野手登録がいました。

  • 福留孝介(中日ドラゴンズ) 9試合 打率.316 3本 10打点 OPS.991
  • 谷佳知(オリックスブルーウェーブ) 8試合 打率.200 1本 3打点 OPS.606
  • 村松有人(オリックスブルーウェーブ) 3試合 打率1.000 0本 0打点 OPS4.000
  • 高橋由伸(読売ジャイアンツ) 9試合 打率.289 3本 8打点 OPS.902
  • 木村拓也(広島東洋カープ) 2試合 打率.400 0本 2打点 OPS1.000
  • 和田一浩(西武ライオンズ) 9試合 打率.333 2本 6打点 OPS.989

以上の6選手でレフト谷選手、センター高橋選手、ライト福留選手、DH和田選手がメインの起用法でした。この大会では参加国の打撃成績で本塁打・打点・長打率・出塁率が1位に輝き、チーム本塁打は14本のうち9本が外野手の本塁打と、外野手陣が大きくチームの高い得点力に貢献しました。

また、サブの村松選手は主に代走や守備固め要員、木村選手は内野も守れるユーティリティとして起用されました。

 

2006年WBC 優勝

初のメジャーリーガー参戦の国際大会、第1回WBCでは、6人の外野手登録選手がいました。

  • 和田一浩(西武ライオンズ)2試合 打率.000 0 本 0打点 OPS.000
  • 多村仁(横浜ベイスターズ)8試合 打率.259 3本 9打点 OPS1.005
  • 金城龍彦(横浜ベイスターズ)5試合 打率.200 0本 0打点 OPS.533
  • 福留孝介(中日ドラゴンズ)8試合 2本 6打点 OPS.695
  • 青木宣親(東京ヤクルトスワローズ)6試合 打率.200 0打点 1 OPS533
  • イチロー(シアトルマリナーズ)8試合 打率.364 1本 5打点 OPS.932

以上の6選手でレフト多村選手、センター福留選手、ライトイチロー選手という布陣で、福留選手が不調のため、準決勝からは青木選手が代わりにスタメン出場していました。

この大会は「スモールベースボール」を一つのスローガンに掲げていましたが、参加国の打撃成績では盗塁はもちろん1位でありながら、打率・本塁打・打点の打撃三部門も1位でした。

主に外野手でスタメン出場した多村選手は3本、福留選手は2本、イチロー選手は1本の本塁打を放ちチーム本塁打数の半数を占めました。

このような成績から、松井秀喜選手(ニューヨークヤンキース)が辞退し、アテネ五輪代表だった高橋由伸選手(読売ジャイアンツ)が選ばれない中、このメンバーを組めた日本の外野陣は層の厚さを感じました。

 

2008年北京五輪 4位

出場登録人数を考慮したためか、この大会の外野手登録は4人。

  • 青木宣親(東京ヤクルトスワローズ)9試合 打率.294 1本 7打点 OPS.771
  • 森野将彦(中日ドラゴンズ)8試合 打率.111 0本 1打点 OPS.269
  • 稲葉篤紀(北海道日本ハムファイターズ)9試合 打率.263 1本 6打点 OPS.587
  • G.G.佐藤(西武ライオンズ)7試合 打率.200 1本 2打点 OPS.754

参加国の打撃成績では1位の分野が一つもなく、外野手も青木選手しか当たりがないという状態であり、普段守ることのない守備位置との兼ね合いの難しさが結果として出ました。

この大会では外野内の本職でレフトを守る選手がいなかったため、エラーが多く、国際大会ではそれが勝敗を分ける致命的なミスとなり今後の課題にもなりました。

 

2009年WBC 優勝

この大会もメジャーリーガーのイチロー選手や福留選手含む6人の外野手が登録されました。

  • 福留孝介(中日ドラゴンズ)7試合 打率.200 0本 0打点 OPS.607
  • 青木宣親(東京ヤクルトスワローズ)9試合 打率.324 0 7 OPS.732
  • 内川聖一(横浜ベイスターズ)6試合 打率.333 1本 4打点 OPS.956
  • 亀井善行(読売ジャイアンツ)3試合 打率1.000 0本 0打点 OPS2.000
  • 稲葉篤紀(北海道日本ハムファイターズ)8試合 打率.318 0本 0打点 OPS.848
  • イチロー(シアトルマリナーズ)9試合 打率.273 0本 5打点 OPS.637

以上の6選手で左翼手青木、中堅手福留、右翼手イチロー又は左翼手内川選手、中堅手青木選手、右翼手イチロー選手という外野布陣であり松井秀喜選手や和田一浩選手が辞退しました。

この大会は、参加国の打撃成績では盗塁数しか突出したものがなく、イチロー選手の不振がありました。しかし、北京五輪で悔しい思いをした大会ベストナインの青木選手やベテランの稲葉選手の首位打者の内川選手を中心にカバーした結果、優勝へと結びつきました。

また、ゴールデングラブ受賞していた稲葉選手がDHで出場していたこともあり層の厚さを感じました。

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2013年WBC ベスト4

ここ最近では谷間の世代の大会とも言われた2013年WBCの代表。外野手登録は5選手でした。

  • 糸井嘉男(オリックスバファローズ)7試合 打率.286 1 7 OPS1.024
  • 中田翔(北海道日本ハムファイターズ)6試合 打率.286 0 2 OPS.671
  • 内川聖一(福岡ソフトバンクホークス)6試合 打率.348 1 4 OPS.965
  • 長野久義(読売ジャイアンツ)7試合 打率.222 0 6 OPS.642
  • 角中勝也(千葉ロッテマリーンズ)5試合 打率.111 0 0 OPS.311

以上の5選手でしたが、糸井選手が既に右翼手にコンバートされており実質本職のセンターが長野選手しかいない状態でした。

この大会は、長野選手が大会通じて不調だったため、センターの経験がある糸井選手を置き、普段ライトとして出場しない内川選手がライトとして出場が多くなりました。

普段守らないポジションを守らせた試合の球場が右中間左中間が狭い東京ドームだったのが幸いだったのか、致命的なミスはなかったものの、この大会に関しては適材適所の起用ではなかったと言えるでしょう。

 

2015年プレミア12 3位

第1回プレミア12はトリプルスリー達成した柳田悠岐選手やホークスで4番を担っていた内川聖一選手が怪我で辞退したのもあり、外野手登録は4人でした。

  • 中村晃 (福岡ソフトバンクホークス)7試合 打率.611 0本 3打点 OPS1.317
  • 平田良介 (中日ドラゴンズ)8試合 打率.423 0本 6打点 OPS1.115
  • 筒香嘉智 (横浜DeNAベイスターズ)8試合 打率.385 0本 5打点 OPS.966
  • 秋山翔吾 (埼玉西武ライオンズ)8試合 打率.257 1本 3打点 OPS.676

以上の4人でしたが、大会序盤はレフト筒香選手、センター秋山選手、ライト平田選手でした。

そして、中村晃選手が好調だったため大会終盤は筒香選手をDHに置いて、レフト平田選手、センター秋山選手、ライト中村晃選手という布陣でした。

柳田選手や内川選手の辞退があったにも関わらず、大会通じて外野手は筒香が落球した以外は、攻守ともにバランスが良い布陣となりました。中でも、大会通じて中村晃選手の適応力が光っていました。

 

2017年WBC ベスト4

この大会では青木宣親選手が参加し、2大会ぶりにメジャーリーガー参戦となりました。

  • 内川聖一(福岡ソフトバンクホークス)6試合 打率.375 0本 3打点 OPS1.080
  • 青木宣親(ヒューストンアストロズ)6試合 打率.182 0本 2打点 OPS.697
  • 平田良介(中日ドラゴンズ)2試合 打率.000 0本 0打点 OPS.250
  • 筒香嘉智(横浜DeNAベイスターズ)7試合 打率.320 3本 8打点 OPS1.113
  • 鈴木誠也(広島東洋カープ)5試合 打率.214 0本 0打点 OPS.527
  • 秋山翔吾(埼玉西武ライオンズ)4試合 打率.300 0本 2打点 OPS.685

以上の6人であり、レフト筒香選手、センター青木選手、ライト鈴木選手でしたが、大会中盤からはレフト筒香選手、センター秋山、ライト青木選手でした。

この大会では、2度のWBC経験し、MLBでも活躍し精神的支柱として期待された青木選手がまさかの不調でしたが、その代わりを期待していた秋山選手の骨折がこの大会後に判明したこともあったので、結果的には青木選手が大会通じてチームにいてくれて良かったと言えました。

また、鈴木選手が不調だったことや、パ・リーグOPS1位の柳田選手不在にも関わらずそれをカバーできる層もあり、3大会連続出場や国際大会に強い内川選手を代打に置ける層の厚さを感じました。

 

これから日本の外野陣に必要なものは?

国の威信をかけて戦うの日本代表は最高の選手を集める「オールスターメンバー」が理想です。

しかし、過去の日本代表外野陣とその成績を見てみると、同じ役割やプレースタイルや守備位置の選手が重なっていると、攻撃のバリエーションや守備の回し方が考慮されたメンバーが選出された大会で好成績を収めていることがわかります。野球というスポーツはチーム構成のバランスが必要なスポーツが改めて認識できるでしょう。

そのため、一流選手の中にも”脇役”や”スーパーサブ”的な立ち位置もこなせる選手が必要であり、短期決戦はさらにその役割や起用ポイントが強みになり攻守に幅が広がります。

これを踏まえると、現段階で2018年日米野球の侍ジャパン外野陣は、以下のような選手を選出するのが理想的ではないかと考えています。

  • 柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)
  • 秋山翔吾(埼玉西武ライオンズ)
  • 筒香嘉智(横浜DeNAベイスターズ)
  • 鈴木誠也(広島東洋カープ)
  • 西川遥輝(北海道日本ハムファイターズ)
  • 中村晃(福岡ソフトバンクホークス)

柳田選手がもしホークスで両翼にコンバートすることなくセンターでシーズン守るなら、レフト筒香選手、センター秋山選手、今回は怪我明けで選ばれなかったがライトは鈴木選手の並びにして柳田選手をDHにするのが一番無難だと思いました。

ゴールデングラブ賞4度受賞している秋山選手の守備は、日本球界トップクラス。一つの守備で勝敗が決まるといっても過言ではない国際試合では、秋山選手をセンターに置くのがベストでしょう。

そして、個人的にサブ選手として置きたいのレフトやセンターとしての経験ある西川選手と両翼や一塁手の守備が高い水準で守れて、国際大会にも慣れている中村晃選手をベンチに置けばバランスは一番良いと思いました。

また、その他の外野陣の候補だと吉田正尚選手(オリックスバファローズ)や中谷将大選手(阪神タイガース)や、稲葉監督になって代表常連組となりつつある上林誠知選手(福岡ソフトバンクホークス)と言ったあたりの選手も力があり、若い分面白い選手です。

吉田選手は怪我なくシーズン消化することや中谷選手や上林選手は確実性や安定感を良くすることが選手としての課題であり、改善することによって代表入りに近づくでしょう。

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あなたなら侍ジャパン外野陣、誰を選ぶ?

2018年、ひいきのチームを応援しつつ、侍ジャパンの監督になったつもりで、各選手のプレーを見て、自分なりの「侍ジャパン」布陣を決めて見てはいかがでしょうか?

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G-TIMES編集長総合編集長

投稿者プロフィール

野球に関する様々な情報・意見を発信するサイトG-TIMESの編集長です。


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