チームを活気づけるエースの気合!プロ野球 現役完投数ランキング
- 2016/7/23
- プロ野球
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分業制が定着した現代での「完投」の意義
現在のプロ野球はセットアッパーやクローザーを始めとした、リリーフ陣の活躍がチームに欠かせません。メジャーでは球数制限が設けられ、先発投手が完投することが以前に比べて減ってきています。そんな中、「完投」はどのような意味を持つのでしょうか。完投数ランキングやエピソードを元に考えてみました。
リリーフ陣にかかる負担
中継ぎ陣は故障などがない限り基本的に毎日ベンチに入っているため、彼らにとって「休養」は移動日くらいしかありません。登板はなくとも状況を見つつブルペンで投球をしなければいけないので、消耗の激しい仕事です。そんな中、チームを支える「エース」と言われる投手に期待されるのが、1人で1試合投げ切る「完投」ということになります。
現役投手の完投数のランキング
- 1位 三浦大輔 532登板 78完投
- 2位 黒田博樹 310登板 76完投
- 3位 松坂大輔 204登板 72完投
- 4位 涌井秀章 340登板 53完投
- 5位 杉内俊哉 316登板 48完投
- 6位 和田毅 224登板 37完投
- 7位 成瀬俊久 230登板 37完投
- 8位 金子千尋 260登板 36完投
- 9位 岸孝之 214登板 32完投
- 10位 新垣渚 172登板 28完投
ご覧になるとわかるように、エース格の選手たちの名前がズラリと並んでいます。また、ここにはランクインしていませんが、楽天のエース則本投手も4年目途中にして100登板16完投と堂々の数字を誇っています。4人の完投エピソードをみていきましょう。
黒田博樹
2015年 6月30日 巨人戦
1対0でカープがリードで迎えた最終回、カープは守護神の中崎を送るかと思われましたが、黒田博樹が続投。ベンチは中崎投手の投入を考えていたそうですが、黒田本人が「連投続きのブルペンを休ませたい」と首脳陣を説得。結果として逆転負けを喫しましたが、最年長投手として、何よりも「エース」としてのチームへの気持ちがよく見えた試合でした。
また黒田投手は、2016年の開幕直後にも次のようなコメントをのこしています
エースが先発で完投して、それで勝ち負けどちらにしても1人で白黒つける。そうして1日でも中継ぎを休ませる。1試合だけといえばそうだけど、精神的にも変わってくる。それがチーム力に繋がるんじゃないかな。
則本昂大
2016年5月31日 阪神戦
この日の則本投手は初回から三者連続三振を含む5回までノーヒットと絶好調。6回にビデオ判定により本塁セーフとなる場面があるなど嫌な流れもありましたが、気持ちを切り替え後続をピシャリ。7回を終え99球でベンチも交代を考えていたそうですが、点差もあったため則本投手は自ら完投を志願。見事9回3安打10奪三振1失点完投。9-1で楽天が勝利しました。
涌井秀章
2016年 7月6日 西武戦
涌井投手は現在のプロ野球界でもトップクラスに安定して長いイニングを投げきれる投手。2016年の前半戦は16試合に登板し、9イニングを4度も投げきっており、投球回数は121でトップです。この試合も相手投手岸投手の8回1失点に負けじと9回を投げ切り1失点。勝ち負けはつきませんでしたが、9回の1アウト1.2塁のピンチで秋山選手、中村選手というパ・リーグを代表する打者から連続三振を奪いピンチを脱するなど熱投ぶりを発揮。味方の延長サヨナラ勝ちにつなげました。
岸孝之
2015年 8月12日 日本ハム戦
この日は本拠地西武ドームで相手は日本ハムのエース大谷翔平。実は岸投手、この年の7月に3連続完投負けという悔しい時期があり、この日も6回が終わり0-0と援護もなく我慢の展開。そして7回表に田中賢介選手に均衡を破るタイムリーを浴び、今日も完投で負けるのか?という嫌な予感もよぎりましたが、その裏メヒア選手が逆転ツーランホームラン。リードをもらった岸投手は今回こそはと言わんばかりに、酷暑で知られる夏の西武ドームの暑さにも耐え9回完投。苦しい時期を乗り越え、勝利を掴みとりました。
時代は変わってもエースの役割は変わらない
昔は完全に先発投手の完投は当然のような風潮があったために、完投数なども今では考えられないものです。例えば、歴代通算完投数1位の金田正一さんは、944登板365完投という異常とも呼べる数字。分業制が中心となっている今では考えられません。
しかし、昔に比べて試合数も増えた現在、中継ぎ投手の負担を考えると、少しでも休める日が取れる試合があるとのいうのは、長いペナントを考えると重要になります。また、エースが最後まで投げきり、勝利することで、チームに勢いももたらされます。マウンドに立ち続け、チームを勝利に導く。いくら時代が変わり分業制が進歩しようとも、「エース」に求められるものには変わりはないでしょう。
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