驚き!スイング速度の向上には除脂肪体重の増加がキモになる?!

「コンディショニング科学」の観点から研究した結果、体重とスイング速度の関係よりも、除脂肪体重とスイング速度の関係のほうが相関性を示すということが分かったそうです。

そして除脂肪体重の増加が多いほど、スイング速度の向上に貢献していることを示す結果が得られたそうです。スイング速度だけでなく、その速度が常に安定しているかどうかを調べた結果、スイング速度のバラつきが少ない選手ほど、打率が高いという関係性があることがわかりました。そしてスイング速度の安定性が高打率に影響しているということです。

選手の競技レベルが高くなればなるほど、盗塁を得意とする選手の割合は多くなっていくということも分かっているそうです。

身長当たりの筋肉量を増やしていくことがもっとも大切

身長当たりの除脂肪体重を計測するためには、体脂肪量や体脂肪率の値が必要になります。

体格には「除脂肪体重」と「脂肪体重」の2種類があります。除脂肪体重は、主に筋肉と骨の組織で構成されています。脂肪体は、お腹の脂肪や背中の脂肪のように、私たちが望まないものです。脂肪を減らすには、ダイエットをすればいいのですが、言うは易し行うは難しです。

体脂肪が増えると、30m走では9%増加したとすると著しくスピードが低下してしまい、10mの2往復走では3%、6%、9%と体脂肪が増加するごとにスピードが低下していることがわかります。

何よりも筋肉量を増やすことを目指すべきです。なぜなら、身長あたりの除脂肪体重は、人間でも動物でも高いパフォーマンスを発揮するために最も重要な要素だからです。

筋肉をつけることは、どんなスポーツでもパフォーマンスを向上させるために基本的に必要なことです。しかし、多くのサイトや記事では、バランスのとれたウェイトトレーニングが総合的な力をつけるために果たす重要な役割を見逃しています。重い重量を持ち上げることだけが除脂肪体重を増やす方法ではありませんし、機能的で運動能力の高い体を作ることは、単に重量を持ち上げることよりもずっと重要です。

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スイング速度に直結する筋力は?

スイングを改善するためには、まず自分のバットスピードが十分に速いかどうかを見極める必要があります。その上で、「インパクト時の正しい姿勢」に焦点を当ててトレーニングを行う必要があります。安定したスイングができるように体を鍛えることができれば、打撃の安定性は向上します。

野球のスイング時の最大バットスイング速度は、パワーの指標として最もよく引用されます。しかし、バッティングメカニクスに影響を与える身体能力は他にもたくさんあり、最大バットスイング速度が必ずしも他の身体能力の指標として最適であるとは限りません。ここでいう「筋力」とは、筋肉のことです。ここで注意したいのは、「筋力」という言葉は身体組成、つまり脂肪に比べてどれだけ無駄のない筋肉があるかということを指しているということです。

フィジカルテストをすると、ある選手は握力とメディシンボール投げが優れていてスイング速度が速い。別の選手は筋力もメディシンボール投げも優れているわけではないがスイング速度は速い。それぞれの選手でスイング速度は速くても、それに影響する特徴はそれぞれ異なっています。

「握力のトレーニングをたくさんやったらバッティングがよくなった」「ダンベルを持って背筋ばかりトレーニングしたらよくなった」といった話を聞きますが、これらの意見も万人に当てはまるわけではありません。

野球選手はそれぞれに体力的特徴が異なり、バッティングに対する考え方もそれぞれ違います。大事なことは、自分は何が優れているからスイング速度が速い、あるいは何が劣っているからスイング速度が遅いということを自らが知ることです。

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安定したスイングができるようになれば打撃成績は向上するのではないか?

安定したスイングというのは、スイングを繰り返しできることを意味し、当然状態であればスイング速度も安定していると考えられます。スイング速度だけでなく、その速度が常に安定しているかどうかを調べてみると、その結果、スイング速度のスイング速度の安定性が高打率に影響していることがわかったそうです。

では、スイング速度を安定させるためにはどうしたらいいのでしょうか?

方法のひとつとして、イメージトレーニングが挙げられます。イメージの仕方として、一人称イメージと三人称イメージがあります。

一人称イメージは、自分自身があたかも競技をしているかのようにイメージすることで、三人称イメージとは、自分が競技している姿を外から見ているように、客観的にイメージすることをいいます。未熟練者に比べて、熟練者のほうがそれぞれのイメージしているスイングスピードの誤差が少なかったという結果が出ました。これは、熟練者のほうが主観イメージと客観イメージが合っているということを表しています。

「学ぶ」という言葉は「真似る」からきているといいます。つまり、モノマネのうまい人は、それが再現性として表れているわけです。

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球速を上げるには、 下半身を鍛えて大腿部と下腿の筋肉量を増やそう!

野球のトレーニングに関するアドバイスの中で、最もよく知られているのが「脚を鍛えなさい」というものです。ほとんどの人が「脚を鍛えるべきだ」と言っています。それはなぜでしょうか?球速を上げるのに、下半身はどう関係するのでしょうか?その答えは、足が野球の動きを司るエンジンだからです。

野球選手は身長が高くなるほど、球速が速くなっていることがわかっています。

身体テストを行った結果、メディシンボールを遠くに投げられることと球速に相関関係がありました。メディシンボールを遠くに投げられることは投球速度を高めるひとつの要素であり、身長が高いこともそのひとつの要素になり得るということです。

身長が増加すると同時に除脂肪体重も増加することがわかっています。したがって、中学生では身長が高くなると同時に除脂肪体重も多くなるため、パワーが発揮できていることになり投球速度も増加すると考えられます。

大学野球選手よりも中学生のような発育期野球選手のほうが、投球速度に対して筋力やパワーが影響しているのがわかっています。これは、若いうちは力任せに投げれば球速が出ると感じやすい、ということを意味します。しかし成長していくとそれが徐々に通用しなくなってきます。ですので、中学生ぐらいから「力任せに投げる」ことに依存しすぎないような投球フォームを模索することが重要です。

どのように下半身を使って投げればいいのか

では、速い球を投げるには、下半身をどのように使えばいいのでしょうか?

球速が速い投手と、そうではない投手の足の踏み出し方に関する研究報告があります。これは、投球動作を横から見た際の、踏み出した足の角度に関する報告になります。球速が速い投手のほうが踏み出した足の膝の角度が大きいことがわかりました。さらに、この踏み出した足が接地してからボールリリースの瞬間まで、踏み出した足は動かず固定されています。つまり、ワインドアップからコッキング期にいたるまでの動作を、踏み出した足でしっかり受け止めているのです。投球練習の現場でも「しっかりと踏み込め」「固定しろ」とよく表現されていることを科学的に示す結果となります。

多くの投手たちは、経験上、速球を高速にするためには下半身が力を発揮する必要があることを知っています。ホームプレートに向かってボールを投げるためのエネルギーのほとんどは、下半身が生み出しています。

野球の投球は、一連の筋肉の動きで行われます。地面からスタートして、下半身の上部の筋肉が重心を前進させる力を作ります。その動きは、足から始まり、リリースで終わります。これは、ボールに伝わる力を生み出すために使われます。重心を前進させる動きは速度を生み出す下半身の上位の筋肉によるものです。

詳しくは「野球を科学する  最先端のコンディショニング論」をお読みください!

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G-TIMES編集長総合編集長

投稿者プロフィール

野球に関する様々な情報・意見を発信するサイトG-TIMESの編集長です。


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