一流アスリートに多い読書家
読書をすることにはどのような効果があるでしょうか。一般的には、コミュニケーション力や文章力の向上、ストレス解消、脳の活性化、視野が広がるなどのメリットがあると言われています。
プロ野球の世界でも一流と呼ばれる選手の中には読書家の選手が多いと言われています。読書による自己鍛錬は野球選手としてだけではなく、人間としても成長させてくれるからでしょう。
そこで今回は野球界屈指の読書家の愛読書を紹介します。
小久保裕紀(日本代表監督、元ダイエー・ソフトバンク、巨人)
- エヴァへの道/船井幸雄
- 水滸伝/北方謙三
プロ野球界屈指の読書家として知られるのが、野球日本代表(侍ジャパン)の小久保監督です。プロ入り二年目の1995年に本塁打王のタイトルを獲得しましたが、翌シーズン絶不調に陥り低迷していた際に手にした経営コンサルタント・船井幸雄さんの『エヴァへの道』でした。
「必要・必然・ベスト」
どんな困難でも前向きに捉えることで、その出来事が自分に起きて良かったと思えるようになるというこの言葉に小久保監督は支えられたそうです。また、小久保監督が自身の愛読書として公言しているのが北方謙三の歴史小説『水滸伝(すいこでん)』です。
川上哲治(元巨人監督)
- 菜根譚(さいこんたん)
現役時代は「打撃の神様」の異名を取り、監督としては1965年から1973年シーズンまで9年連続リーグ優勝・日本一という偉業を成し遂げた名将、川上哲治さんの愛読書は中国古典の『菜根譚』です。
「汚い土には作物が育つが、澄みきった水には魚も住まない。汚いものもあえて受け入れる度量を持ってこそ君子といえる。独りよがりの潔癖は避けるべきだ。」
人生の知恵、生き抜く上での処世術を説いたこの本を愛読書にしている監督、リーダーは多く、野村克也さんの愛読書でもあったそうです。
松井秀喜(元ヤンキース、巨人など)
- 自分を磨く方法/アレクサンダー・ロックハート
- 五輪書/宮本武蔵
ヤンキース、巨人という名門球団の主軸を務めた松井秀喜さんは現役時代に「引退したら本に関わる仕事がしてみたい」と語っていたほどの読書家です。『自分を磨く方法』は松井さんの母校、星稜高校時代の恩師山下監督から送られた一冊です。ヤンキース時代に松井さんが試合会場に持ち込んで読んでいたのが宮本武蔵の『五輪書』です。勝負に勝つためには何が理にかなうかを説いたこの本から、どのような準備をすべきかを学んでいたそうです。
藤浪晋太郎(阪神)
- 心を整える。/長谷部誠
新人から3年連続二桁勝利を挙げた阪神タイガースの新エース、藤浪選手も読書好きの一人です。大阪桐蔭高校時代、他の選手が移動中に音楽を聴いているのに対して、藤浪選手はずっと本をよんでいたそうです。
愛読書の一つは同じアスリートでもあるサッカー日本代表キャプテン、長谷部誠選手の『心を整える。』。サッカー界屈指の人格者としても知られている長谷部選手に対して、同じく「真面目キャラ」としても知られる藤浪選手は通じるものがあるのでしょう。
大谷翔平(日本ハム)
- スティーブ・ジョブズ/ウォルター・アイザックソン
最後に紹介するのは日本ハムファイターズの大谷翔平選手。「二刀流」というプロ野球史に前例のない挑戦をしている大谷選手の愛読書は、Apple創業者でビジネス界の異端児と呼ばれたスティーブ・ジョブズさんの自伝です。
「人と違うことをやってきて、そこに至った時どうなるのか……。できるかできないかよりも、誰もやらないことをやってみたい」
「一番ではなく唯一を目指す」という大谷選手の考えは、同じく常識や既成の概念に囚われずに自分のオリジナリティーを貫いたジョブズさんから多大なる影響を受けていると言えるでしょう。
愛読書から見て取れる各選手の人間性
今回は野球界を代表する6選手の愛読書を紹介してきました。それぞれの選手の愛読書からは野球選手としてだけでなく、人間としてのあり方、生きていく姿勢のようなものが感じられます。
「人が成長すれば、本も成長するのであって、その意昧で本は「自分という人間の成長を映す鏡」でもあります」
脳科学者の茂木健一郎さんは著書の中でこのように述べていますが、野球選手の愛読書も各選手の姿を映す鏡であると呼べるのかもしれません。
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