本当に誰でも投げられるのか!?超スローボールで真剣勝負に挑んだ男たち
『超』スローボール
熱戦続く夏の甲子園。東海大四の初戦で、西嶋投手は九州国際大付戦では12奪三振5安打1失点で完投勝利を収めました。その日、西嶋投手が投じた超スローボールが話題となっています。
賛否両論あるこの「魔球」今回は超スローボールを投げた投手たちをまとめてみました。
強打者封じ
年にメジャーから北海道日本ハムファイターズに入団した多々野投手は試合の空気を変える「超スローボール」で話題になりました。投じる相手も松中信彦、松田宣浩、小笠原道大、カブレラなど、強打者揃いでした。
多田野投手は2003年から2007年までクリーブランド・インディアンスなどでアメリカでプレーしていました。パワフルなメジャーリーガーたちを打ち取る投球術を考え続けた結果、その一つとして「超スローボール」を編み出したのです。なんと、A-RODこと通算ニューヨークヤンキースのアレックスロドリゲス選手を超スローボールでサードゴロに打ち取っていたのです。
大リーグではポピュラー??
メジャーリーグでは、超スローボールは「イーファス・ピッチ」と呼ばれています。往年のイーファス・ピッチの使い手はリップ・スーウェル投手。1943、44年に2年連続21勝を挙げるなど、通算147勝を挙げました。
あの通算303勝のランディ・ジョンソン投手も、この「魔球」を投げたことがありました。
マンガでも描かれた魔球「蝿止まり」
有名漫画「ドカベン」に登場する不知火守も、強打者山田封じにこの超スローボールを編み出しました。ストレートと全く同じフォームから繰り出す超スローボールを「鋼鉄のような肩、弓のような腕、カマのような手首に鍛え上げて初めて生まれた」と不知火は語っていました。160キロの速球も持つ不知火が投じる超スローボールは、意表を突き、山田にバットを振らせず三振に撃ち取れるボールとなりました。あくまでマンガの世界ですが、今回この超スローボールが話題となり、不知火を思い出した方は少なくはないでしょう。
ダルビッシュのどよめきを生んだ超スローカーブ
今年メジャーリーグオールスター初登板を果たしたダルビッシュ投手。トゥロウィツキーとの対決で91キロの超スローカーブを披露。球場、そしてベンチからどよめきを呼びました。
超スローカーブで幻惑した名投手
星野伸之(元阪急ブレーブス、阪神タイガース他)投手は最速130キロ台ながらも、90キロ台のスローカーブを駆使したピッチングスタイルで、通算176勝を挙げた。すっぽ抜けた超スローカーブをキャッチャーが素手で捕球してしまったというエピソードもあります。
現役では、横浜DeNAベイスターズで活躍し続ける三浦大輔投手も超スローカーブを交えた緩急のあるピッチングスタイル。昨年のオールスターでは80キロ台のスローカーブを交え、2回を無失点に抑えました。
誰でも投げれるけれど誰もが通用するわけではない
誰もが大谷翔平投手のように160キロの豪速球を投げれるわけではありません。レベルアップしていく打者に負けないために、創意工夫を続けるピッチャーたち。タイミングをずらすには。打者の意表をつくには。緩急のあるピッチングこそがその答えのひとつなのかもしれません。そして、緊張感のある真剣勝負の場面こそ活きる魔球、それが超スローボールでした。
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