後に語り継がれる対決といえば?
2012年センバツ。阪神の藤浪晋太郎投手と大谷翔平投手が対決。「投手 大谷」vs「投手 藤浪」と「投手 藤浪」vs「打者 大谷」は今でも語り継がれる名勝負となりました。長い甲子園の歴史の中で、後にプロ野球で活躍する選手同士の対決は数々あります。今回は、その中から3つの試合を紹介します。
レンジャーズ ダルビッシュ有 vs 阪神 坂克彦
2003年夏の甲子園決勝 東北 2-4 常総学院
2003年夏の甲子園。悲願の白川越えを狙う東北高校(宮城)は名将若生監督と、当時2年生の超高校級右腕 ダルビッシュ有投手を擁し、快進撃を続け決勝に進出しました。対するのは、センス抜群の遊撃手 坂克彦選手が中心となり、木内マジックで次々と強豪を撃破してきた常総学院(茨城)。
常総の木内元監督は
「ダルビッシュ君が、途中から出てきたら勝てない。初めから出てきたらチャンスはある」
という話をしていました。準決勝こそ登板を回避したダルビッシュ投手でしたが、決勝は志願の先発でした。2回裏に東北が2点を先制も、4回表に常総学院が逆転し、8回表にダメ押しの1点を追加。4-2で常総学院が初優勝を飾りました。
後に近鉄に進み、現在は阪神のユーティリティプレーヤーとして活躍を見せる、常総学院の坂選手は、超高校級右腕のダルビッシュ投手から2安打を放ちます。しかし、打撃よりもさらに光ったのは守備でした。 6回裏と7回裏の2度も難しい打球を処理し、ピンチを脱しました。
阪神 歳内宏明 vs 北海道日本ハム 有原航平
2010年夏の甲子園1回戦 聖光学院 1-0 広陵
魔球を操る聖光の絶対的エース 歳内宏明投手(聖光学院→阪神)の福島最強 聖光学院と最速149㌔の大型右腕有原航平投手(広陵→早大→日本ハム)擁する広陵の対戦。歳内投手はストレートが高めに浮き制球に苦しみながらも、変化球はしっかり低めに制球され、決め球であるスプリットを軸に広陵打線を封じました。また、持ち味であるフィールディング、牽制の技術の高さが光り、広陵の足をしっかり封じ、完封します。
対する有原投手は、初回から140キロを超える球威抜群のストレートと多彩な変化球で聖光打線を圧倒しました。さらにこの試合、無四球と制球力の高さも光りました。7回裏唯一単打が2本出て、さらに振り逃げで還ったランナーが決勝点となります。結果として聖光学院が投手戦を制しましたが、どちらが勝ってもおかしくないゲームでした。
阪神で中継ぎとして頭角を現してきた歳内投手と、日本ハム先発ローテに食い込み、プロでも活躍を見せている有原投手。2人の投げ合いがプロの舞台でも観れるのか楽しみなところです。
楽天 松井裕樹 vs ロッテ 田村龍弘・阪神 北条史也
2013年夏甲子園準々決勝 光星学院 3-0 桐光学園
キレのある直球と代名詞である縦に消えるスライダーを武器に、1回戦の今治西戦で歴代の奪三振記録を塗り替えた「神奈川のドクターK」松井裕樹投手擁する桐光学園と下級生時から強力打線を引っ張ってきた3番 田村龍弘選手、4番 北條史也選手擁する光星学院が準々決勝で激突。
松井投手の立ち上がり、光星の1番天久選手にいきなり二塁打を打たれピンチを迎えるも、続く2番の村瀬選手を三振。そして超高校級スラッガーの3.4番 田村選手と北條選手をも三振に取り三者連続三振。圧巻の投球でした。
光星の強力打線を8回まで13奪三振無失点に抑えた松井投手。しかし打線の援護がありませんでした。光星は、8回2死1.3塁のチャンスで、3番の田村選手がインコースのストレートをレフト前に弾き返し、均衡を破る先制打を放ちます。さらに、続く4番の北條選手が消えるスライダーを捉えて左中間に運び2点適時打を放ち、3-0。試合はこのまま終わることになります。
後にロッテに進む田村選手は対応力の高さが光りました。足を上げたフォームからすり足に変えての先制適時打は見事でした。「坂本2世」と言われ、阪神2位指名を受ける北條選手は、桐光バッテリーの配球を読み、左中間2点適時打を含む2安打。
敗れたものの夏の甲子園奪三振記録を更新し、連投の疲労がある中、光星学院打線から15奪三振を奪った松井投手の投球も見事でした。
田中将大 vs 中田翔・辻内崇伸・平田良介、花巻東の大谷翔平投手と帝京高校の松本剛選手、横浜高校の松坂大輔投手と東福岡高校の村田修一選手など、他にも甲子園で激突し、のちにプロでも活躍する選手はたくさんいました。
今回は比較的最近の試合を紹介しましたが、歴史を掘り下げるとまだまだたくさんあると思います。
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