社会に貢献する一流選手!『球場外のMVP』歴代ゴールデンスピリット賞受賞者を振り返る
- 2016/4/3
- プロ野球
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アメリカだけでなく、日本にも広がる社会貢献の流れ
アメリカ・メジャーリーグにおいて社会貢献に熱心な選手に送られる賞が「ロベルト・クレメンテ賞」です。母国・プエルトリコやラテンアメリカへの食料や野球道具の提供など、慈善活動を精力的に行った伝説のメジャーリーガー、ロベルト・クレメンテ選手の名前を取って1971年に設立されました。
一方、日本プロ野球において社会貢献を熱心に行ってきた選手に与えられる賞として1999年に設立されたのが「ゴールデンスピリット賞」です。設立以来、2015年シーズンまで17人の受賞者が誕生しています。そこで今回は歴代の主な受賞者、社会貢献活動について紹介していきたいと思います。
松井秀喜(巨人/第1回・1999年)
受賞理由 : 少年のいじめ防止キャンペーン
栄えある一回目の受賞者となったのは、当時巨人の主軸に君臨していた松井秀喜選手でした。いじめ撲滅キャンペーンや、チャリティー活動への積極的な参加が認められての受賞になりました。
このような素晴らしい賞を受賞させてもらって、身に余る光栄です。この賞はずっと続いていく。第1回受賞者として言動に気をつけてプロ野球のため、巨人のためにがんばります。
受賞した松井選手は当時このようなコメントを残しています。松井選手はいじめ防止キャンペーン以外にも、2004年に起こったインドネシア・スマトラ島での地震や、2011年の東日本大震災の際に義援金を寄付するなど社会貢献活動に熱心な選手の代表格と言えるでしょう。
赤星憲広(阪神/第6回・2004年)
受賞理由 : 盗塁数に応じた全国の施設・病院への車椅子の寄付
レッドスターの愛称で5年連続盗塁王を獲得した赤星憲広選手。
(プロ野球選手になるという)夢は達成したからもう無いが、夢を達成できたからこそ、今度は人に夢を与え続けなければならない。
このような考えのもと2003年シーズンより、自身が記録した盗塁数と同じ数の車椅子を養護施設や病院に寄贈していたことが認められての受賞になりました。2009年シーズンに現役を引退後も車椅子寄贈の活動を継続的に続けています。
和田毅(ソフトバンク/第8回・2006年)
受賞理由 : 投球数に応じたワクチンの寄贈
2016年シーズンメジャー・リーグからプロ野球に復帰し、活躍が期待される和田毅選手。2005年シーズンから行っていたのが、特定非営利活動法人「世界の子供にワクチンを日本委員会(JCV)」を通じてのワクチンの寄付です。
自身の投球数×10本(勝利投手時+20本、完封時+30本)のワクチンの寄付が評価されての受賞となりました。2005年・2006年シーズンを通じて10万580本ものワクチンが発展途上国に送られました。
ダルビッシュ有(日本ハム/第12回・2010年)
受賞理由 :
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宮崎の畜産農家へ300万円の義援金(口蹄疫の被害に対して)
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1アウトに付き3万円を社会福祉法人宮崎県共同募金会へ寄付
現在の日本の野球選手の中でも特に社会貢献活動に熱心な選手が、今シーズン怪我からの復活が期待されている、メジャーリーグ・レンジャーズのダルビッシュ有選手です。
2007年に発展途上国に対して資金援助を目的とした「ダルビッシュ有水基金」の設立、2010年宮崎県で流行した口蹄疫の被害を受けた畜産農家に対しての義援金の寄付などが評価されての受賞となりました。
藤川球児(阪神/第14回・2012年)
受賞理由 :
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骨髄バンクの支援
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モバイルサイトの収益の寄付
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不登校児を公式戦へ招待
和田毅選手と同じく、今シーズンから日本プロ野球界に復帰した藤川球児選手も長年の社会貢献活動が評価され、2012年に同賞を受賞しました。
2007年シーズンから骨髄バンクへの支援活動をスタートさせ、同年からは「不登校児支援ネットワーク」を通じて、10人の子供たちを甲子園で行われた年間30試合に招待、また2011年に起こった東日本大震災の際にはチームメイトとともに被災地を訪れるなど、幅広い社会貢献を行っています。
今江敏晃(ロッテ/第17回・2015年)
受賞理由 :
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小児がんを支援するNPO法人へ1打点につき1万円の寄付
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千葉県内の児童養護施設、福島県いわき市の小・中学校訪問
第17回を迎えた2015年シーズンに受賞したのが今シーズンからは東北楽天イーグルスでプレーする今江敏晃選手です。
2006年シーズンから群馬県の障がい者野球チーム「群馬アトム」との交流を開始し、2008年からは千葉県の児童養護施設への訪問、2011年には東日本大震災の復興支援を目的として福島県・いわき市の小中学校を訪問するなど長年の地道な活動が評価されての受賞となりました。
お金を出すことも大事かもしれないけど、『一緒に頑張っていこう』というのがモットー。とにかく続けること、会いに行くこと。勇気を与えに行く立場ですが、人と触れ合うことで逆に勇気をいただく。お互いに支え合う形です。
このようなコンセプトのもと2010年からは「今江スマイルプロジェクト」を立ち上げ、障がいを持つ人と共にした活動を継続して行っています。
受賞者以外にも沢山いる社会貢献に熱心なプロ野球選手
ゴールデンスピリット賞受賞者の中から6選手を紹介しましたが、まだ受賞していない選手の中にも社会貢献に熱心なプロ野球選手は沢山います。
自身が糖尿病1型でもある阪神タイガースの岩田稔選手は、2012年シーズンから公式戦の自身の勝利数×10万円を糖尿病研究のためのNPO法人「日本IDDMネットワーク」へ寄付を行っています。
同じく阪神の鳥谷敬選手も2015年シーズンに、「RED BIRD Project」を設立し、フィリピンなどアジア諸国の恵まれない子供たちのために靴を届ける活動を行っています。
社会的な影響力の高いプロ野球選手がこのような活動を行うことは、グラウンドでプレーすることと同様に、人々に勇気や希望を与えます。
また、同じ世界を生きる私たち一人一人もこのような問題に目を向け、自分自身にできることはないのか考え行動に移していく。そのような流れが自然に生まれれば世界はより良い方向に進んでいくことに繋がるのではないでしょうか。
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