名手の教えで急成長!?坂本勇人の守備について3000本安打も見据えて考えてみた

  • 2018/4/2
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若手時代は守備が苦手なイメージがついていた?

今では、選手としての人気もさることながら、WBCで2大会連続でレギュラーとして日本代表の遊撃手を守り、キャリア11年で通算1559本の安打に到達し、2000本安打も間近で3000本安打も夢ではない坂本勇人選手。歴代的に見ても、攻守ともに屈指の遊撃手の一人になったと言えるでしょう。

しかし、守備面において入団当初は一歩目のスタートや判断はよく守備範囲は広くファンプレーが多かったものの、簡単なミスをすることもあり、捕球・スローイングの確実性が課題でした。高卒3年目で規定打席で3割や4年目で30本の本塁打を打つ一方で、失策数が2008~2011年までリーグ最多であり、当時は「守備が苦手な打撃型遊撃手」というイメージが持っている野球ファンもいたことでしょう。

しかし、今やゴールデングラブ賞を2年連続で受賞するまでに。どのようにして守備は成長していったのでしょうか。

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秘められた守備の才能は名手によって生まれた?

2012年のシーズン前の自主トレで坂本選手は、東京ヤクルトスワローズの宮本慎也選手が主催する通称「宮本塾」に弟子入りをしました。

坂本選手が派手なファインプレーが多い一方で、簡単なミスもしばしばありました。宮本選手からは、正しい捕球の体勢や正確なスローイングなど守備の基礎や学んでいきました。

「肩が温まればいいという感じのひどいキャッチボール。あれじゃ、うまくならない。たとえ短い距離のキャッチボールでもいいかげんにやるんじゃなくて、球の回転とかチェックしてやらないと」

「宮本塾」では、最初のキャッチボールの際に上記のようなアドバイスされるのが始まりでした。そして、ゴロ捕球の際も

「”左右足の踏み込み”って大事で、捕る前に右足左足の順番で捕るんですけど、その右足の時に”間”というかその踏み込みがしっかりしていないと、すぐに左に流れたりもする。手と左足が一緒に出て来て衝突している感じがあるの勇人の場合は、ちょっと左足を早く着く位で”間”をとった方がいい」

というアドバイスをもらい、練習を重ねます。

また、2014年にはこれもまた球界屈指の名手である井端弘和選手が巨人に移籍。名手のプレーを間近で見て、そしてアドバイスをもらった坂本選手。入団当初から光っていた広い守備範囲に加え、堅実な捕球や正確なスローイングも自分のモノにして、守備面も大きく飛脚し、攻守ともに球界を代表する遊撃手へと成長していきました。

数字から見る坂本選手の守備は?

ここ5年の「リーグにおける同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べて、守備でどれだけの失点を防いだか」を表す指標のUZRでは、2014年が22.5(セリーグ1位)、2015年が32.3(セパ両リーグ1位)、2016年が15.1(セリーグ1位)、2017年が10.6(セリーグ1位)という数値(デルタ調べ)で4年間の平均が20.1でした。

また、一般的に守備の指標として参考にされる守備率も2015年は.982でリーグ1位であり、2017年は失策数が一桁になり、.987でまたもリーグ1位に輝きました。

数字から見ても若かった頃に比べて捕球やスローイングで確実性がついたと言えるでしょう。

また、2015年のプレミア12では最優秀守備選手を受賞し、2016年と2017年で2年連続ゴールデングラブ賞を獲得します。

このような守備力を認められたタイトルを受賞し、選手として箔がついたことから坂本選手。ファンからの印象も以前とは変わり、「守備も上手い遊撃手」のイメージ になっていきます。

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守備のパフォーマンスはいつまで続くか?

元々若い頃から腰の痛みと戦っており、近年では足の故障も経験した坂本選手。東京五輪や2021年のWBCが控えるこの先、坂本選手が国内を代表する遊撃手としてまで守備のパフォーマンスがどう変わっていくかに注目が集まります。

過去の遊撃手として活躍した選手も30歳を越えたあたりからセンターラインとしてのパフォーマンスが落ち始め、三塁手にコンバートするのも珍しくありません。

遊撃手というポジションは、守備の負担が大きく身体的に怪我に強く攻守に優れた選手が起用される場合が多いと思われます。攻守に優れているとは詳しく言うと、守備面でのスピードや攻撃面でのパワーが需要な要素と見られています。

また、遊撃手は二塁手同様守備機会が多いのとセンターラインのため、打球に対する広い守備範囲や深い場所から送球する肩でカバーしなければならないポジションです。

過去の例を見ていきましょう。

元スワローズの池山隆寛選手は27歳の時にゴールデングラブ賞を獲得しますが、31歳の年にアキレス腱痛に悩まされ53試合の出場に止まり、翌年に宮本選手の台頭もあって三塁手にコンバートします。

次に、元カープの野村謙二郎選手は、29歳の年にトリプルスリー達成やゴールデングラブ賞を獲得しキャリアハイでした。しかし、32歳の年に股関節の痛みに悩まされシーズン中盤から二塁手や三塁手を守り機会が増え、翌年からは江藤智選手の移籍もあり三塁手にコンバートされました。

また、坂本選手に自主トレで指導した元ヤクルトの宮本慎也選手も、遊撃手から三塁手にコンバートしています。36歳の年に2度の故障もあってレギュラーになってから初めて出場試合数が100試合を切り、38歳のシーズン途中から三塁手にコンバートしています。

以上の選手を見てもチーム状況や足腰の負担や怪我を考慮して、30代前半に遊撃手の選手はコンバートしており、プロのキャリア通じて生涯遊撃手を守り続けるのはかなり厳しいと見ています。

過去の選手の例を見ると、坂本選手もコンバートの可能性はゼロではないでしょう。

坂本選手がコンバートする可能性は?後釜は

近年、坂本選手より若く守備が上手い遊撃手が多く出てきたこともあり、相対評価であるUZRでの数値はこれから下がっていく傾向にあるかもしれません。

しかし、今年のキャンプから巨人では2016年ドラフト1位の吉川尚輝選手が現在二塁手がほとんどメインですが、坂本の後釜の遊撃手として実践で守る機会が増えています。

そして、2017年ドラフト5位の田中俊太選手が今後二塁手として台頭し、いずれかは二塁手は田中俊太選手が守り遊撃手は吉川尚輝選手という二遊間を組むことによって、坂本選手が三塁手にコンバートという構想が見えてきます。

この2選手の台頭や坂本選手のコンバートが上手くいけば、坂本選手の選手寿命は遊撃手として続けていくより伸びるでしょう。

そして、現在残りわずかとなっている2000本安打もですが、2500本安打到達や3000本安打も夢ではなくなり読売ジャイアンツだけではなく、プロ野球史に名を残す選手になることもあり得るのではないでしょうか。

球界を代表する遊撃手として。そして球界を代表する打者として。今後坂本勇人選手がどのような選手生活を送るのか。注目して見ていきましょう!

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G-TIMES編集長総合編集長

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野球に関する様々な情報・意見を発信するサイトG-TIMESの編集長です。


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