弟には負けたくない!兄貴の分は俺が!兄弟で追いかけた甲子園 3つのストーリー
- 2017/1/12
- 高校野球
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家族だからこそ一層強く受け継がれる思い
新井貴浩・新井良太、佐藤由規・貴規、堂上剛裕・直倫・・
「2人ともプロ野球選手になった兄弟」と問われると、すぐ名が上がります。
実はプロ野球だけでなく、高校野球界でも兄弟で名を馳せるほどの活躍をした選手達がいました。兄弟で夢を追いかけた物語を紹介します。
夏の甲子園準優勝。成し遂げられなかった全国制覇。夢の続きを兄から弟へ
東海大相模 福山亮・慎吾
2010年夏の甲子園、エースの一二三慎太選手(元阪神)を擁した東海大相模。その主将を務めたのが福山亮選手でした。激戦区神奈川を勝ち上がり、夏の甲子園では快進撃を続け、決勝まで進みました。決勝では春夏連覇、沖縄初の夏の全国制覇を狙う興南に1-12と大敗。惜しくも、準優勝で福山兄弟の兄 亮選手の夏が終わりました。
夏の全国制覇という夢は兄の亮選手から弟の慎吾選手へとバトンを託されました。当時スタンドで応援していた慎吾選手は”俺もここでプレーしたい”そう思っていましたが、
「自信が無くて」
兄の亮選手と慎吾選手は中学まで同じチームでプレーしていました。しかし、兄が主将として夏の甲子園準優勝を果たした東海大相模にはこの理由で進学しませんでした。弟の慎吾選手が進学した先は、千葉の強豪として知られ、全国制覇の経験もある習志野高校でした。中学時代の仲間が多いのも理由の一つでした。
「負けたくない」
兄にも仲間にも負けたくない思いがありました。内野手から外野手へ転向し、全体練習が終わってもノックを受け続けました。負けず嫌いで努力を続けた忍耐力と持ち前のバットコントロールで、背番号7を勝ち取った2年生の夏、ついに兄と同じ舞台に立ちました。準々決勝で後に優勝する日大三に敗れましたが、5回には日大三の5番打者 高山俊選手(阪神)のレフトを越えようかという当たりを好捕し、抜けていれば2点を追加されていた場面でファインプレーを見せました。3年夏の出場はなりませんでしたが、福山兄弟の夏。確かにその爪痕は残しました。
福山亮選手、慎吾選手は共に駒沢大学に進学し、兄弟で日本一を達成しています。現在、慎吾選手は野球人生を終え、亮選手は東芝でプレーしており、今度は弟の思いを兄が引き継いでいます。
双子で目指した甲子園。双子球児はどちらもプロ注目!?
藤代 立松由宇・峻
「公立で甲子園に行くってかっこいい」
そう言って、後にプロ注目となる双子は茨城の藤代に進学しました。1年秋からその双子は頭角を現してきました。藤代の”立松ツインズ”と恐れられ、3番は兄の立松由宇選手、4番は弟の峻選手と並びます。
兄の由宇選手が
「峻よりは肩と長打力がある」
と言えば、弟の峻選手も負けじと
「由宇よりは勝負強い」
とお互いに負けず嫌い。2年夏の時点で兄弟アベック弾は3発で、どちらかが本塁打を打つと、一方は負けじと安打を積み重ねます。
3年夏には、2人合わせての本塁打は47発まで伸び、双子で切磋琢磨し合ってきました。最終的には、兄の由宇選手が32本塁打、弟の峻選手が15本塁打と兄がリードとなりましたが、個性が違ってどちらも魅力的です。由宇選手は左打者として本塁打が打てる捕手、峻選手は右打者でスラッガーとしての素質があるように思えました。
甲子園に愛された三兄弟!?2人の兄超えを目指した三男
磯網将人・遊斗・栄登
三男の栄登選手には絶対に負けられない理由があります。それは、自身の兄2人が甲子園経験者ということ。長男の将人選手は西東京の名門 早稲田実業で2009年センバツ、2010年夏の甲子園出場で、甲子園に2度出場。次男の遊斗選手は神奈川の名門 東海大相模で、2011年春のセンバツ優勝を経験し、主将も務めていました。しかし、兄2人は甲子園を経験しながら、夏の甲子園優勝は無し。
三男の栄登選手は
「夏の甲子園で優勝しないと兄たちを超えられない」
と最終目標を夏の甲子園優勝とし、
「レベルも高い。練習も厳しいぞ」
という次男の遊斗さんの反対に押し切り、東海大相模に進学しました。
そして、2015年夏の甲子園。栄登選手の最後の夏にその時がきました。
決勝の仙台育英を東海大相模エース小笠原選手(中日)の力投と9回の勝ち越しホームランが決勝点となり、東海大相模が神奈川県勢17年ぶりの全国制覇を達成。
栄登選手の甲子園打率は20打数12安打と5割超えと、躍動しました。夏の甲子園決勝、長男 将人さんの目の前で、最終目標を達成した末っ子の栄登選手。次のステージでもさらなる飛躍に期待です。
兄弟で追いかけられる幸せを噛み締めて
人生の財産になるであろう高校野球での夢。一生で一度しかない高校野球を兄弟で目標に向かって行ける選手達はそう多くはありません。たとえ、良い結果でなくとも、兄弟で夢を追いかけた時間は必ず人生の財産になるはずです。仲間でありライバルでもあり、家族でもある。その高校野球での唯一無二の関係はきっと互いに成長させるものとなるでしょう。
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