8番投手論あなたは賛成派?反対派?〜機能した試合・機能しなかった試合から考えてみた
- 2017/6/23
- プロ野球
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実際の試合から考えてみた、「8番ピッチャー」を使うべき条件
2017年シーズン、ラミレス監督が用いている「8番ピッチャー」という打順。メジャーリーグの名将・マドン監督も驚きの理由でこの戦略を用いています。そこで2017年のベイスターズの実際の試合結果から、この戦略について考えてみました。
きっかけは打力の高いウィーランド投手と、打撃不振の倉本選手
ラミレス監督が初めてこの起用をしたのは4月14日のヤクルト戦です。ラミレス監督はこの日の先発、ウィーランド投手の打撃を買っていました。
ウィーランドは非常にいいスイングをする。野球IQが高い。
また前日まで8番に座っていた倉本選手はスランプに陥っていました。(前日までの打率.139)
そこでラミレス監督、「8番ウィーランド9番倉本」という打順を組みました。この日サヨナラ勝ちしたこともあってか、ラミレス監督はここから「8番ピッチャー」を多用するようになります。
「8番ピッチャー」を採用したメジャーの知将 その驚きの理由とは
とはいえこの戦略は、決して真新しい戦略ではありません。
メジャー屈指の名将・ラルーサ監督は、実に400試合以上でこの戦略をとっています。また「知将」として知られ、昨季カブスを108年ぶりのワールのチャンピオンに導いたジョー・マドン監督もこの戦略を好みます。マドン監督が8番ピッチャーを起用する理由として、敬遠を防ぎ、若手を下位の打順で経験を積ませるためと語っています。
2017年シーズンの横浜DeNA機能した試合・しなかった試合を比べてみた
果たしてベイスターズの「8番ピッチャー」は機能しているのか。こんなデータがあります。
勝率(交流戦終了時まで、パリーグ本拠地の試合は除く)
4月13日まで:3勝7敗1分 勝率.273
4月14日以降:24勝21敗1分 勝率.521(9番投手起用含む)
もちろん、さまざまな要因があるとは思いますが、8番投手起用をしてからの方が勝率は高くなっています。これを見ると良い結果をもたらしていると考えられます。
では実際の試合結果から、比較してみます。
「8番ピッチャー」が機能した試合
5月4日巨人戦 5−2で勝利 10安打
- 1(中)桑原
- 2(右)梶谷
- 3(一)ロペス
- 4(左)筒香
- 5(三)宮崎
- 6(二)石川
- 7(捕)戸柱
- 8(投)ウィーランド
- 9(遊)倉本
ウィーランド、倉本の打席ハイライト
- 2回表
ウィーランド第一打席
2死走者なし ライトフライでチェンジ
- 3回表
倉本第一打席
イニング先頭打者 相手失策で出塁
その後2番梶谷のホームランで生還!
- 4回表
ウィーランド第二打席
無死二塁のチャンスに三振
倉本第二打席
そのまま一死二塁も、二走が牽制死
その後、倉本も凡退でチェンジ
- 6回表
ウィーランド第三打席
二死一塁で三振
- 7回表
倉本第三打席
イニング先頭打者 空振り三振
ウィーランドは6回で降板
「8番ピッチャー」が機能しなかった試合
5月12日阪神戦
1−4で敗戦 10安打(上の試合と同数)
- 1(中)桑原
- 2(右)梶谷
- 3(一)ロペス
- 4(左)筒香
- 5(三)宮崎
- 6(捕)戸柱
- 7(二)石川
- 8(投)井納
- 9(遊)倉本
井納、倉本の打席ハイライト
- 3回ウラ
井納第一打席
イニング先頭打者 三振
倉本第一打席
井納に続き二者連続三振
- 5回ウラ
井納第二打席
再びイニング先頭打者 三振
倉本第二打席
ヒットで出塁!四球で二塁まで進むも残塁
- 6回ウラ
井納第三打席
二死一、二塁
二塁走者が帰れば同点のチャンスも凡退
倉本第三打席
イニング先頭打者 三振
井納は8回で降板
両試合の共通点
- ヒット数は10本
- 投手はともに3回打席に立つ。すべて凡退。
- 9番の倉本選手は1度出塁
両試合の相違点
- ウィーランド投手は6回降板、井納投手は8回降板
- 勝った試合(ウィーランド投手先発)は本塁打で得点
先攻かつ先発完投型投手は9番の方が良いのでは?
というのが私の考えです。数ある試合の中から、上の2試合をピックアップし、この考えに至りました。
その理由は、「負けた試合、井納投手の第3打席」です。
場面はベイスターズは1点ビハインドの6回、2死1・2塁。井納投手が調子が良かったこと、まだ6回しか投げていないことを考慮し、ラミレス監督は代打を出さなかったと推測されます。この日の先発がエース級でなければ、代打を送ったはずです。
つまり、先発投手に長く投げてもらいたい場合は9番打者において、打席が回ってこないようにする方が良いのではないでしょうか。
9番なら切り替えられそうですが、8番投手がチャンスで打席に入らねばならない時のがっかり感?はチームに精神的なダメージを与えてしまう気がします。
あなたならこの「8番ピッチャー論」どのように考えますか?
今後のベイスターズの「打順」に注目したいですね!