【フライボール革命】プロ野球にも軟式野球にもフライを狙って打ち上げる時代がやってくる!?
M号導入で軟式野球は「叩く」時代から、「打ち上げる」時代へ
2017年、メジャーリーグで話題になった「フライボール革命」。30球団全体のホームラン数が歴代最多となり、また、フライボール革命をチームとして浸透させたアストロズが世界一に。アメリカで結果が明確に出たことで、日本プロ野球にも、そして、軟式野球にも「フライボール革命」の波がやってきていることをご存知でしょうか。
「フライボール革命」の始まり
「フライボール革命」が誕生したきっかけは、「アメリカのデータ野球」でした。
2015年、メジャーリーグが全球場にデータ収集システム「スタットキャスト」を取り入れたことで、
- 打球の角度
- 打球の初速
- ボールの回転数
- 打球までの移動距離
など、80を超える項目のデータが、このシステムによって瞬時に収集できるようになりました。
そのデータの分析と活用方法が徐々に生み出される中、現れたのが「バレルゾーン」。「ホームランになりやすい打球速度と角度の組み合わせ」を指し、例えば、打球速度158キロに対するバレルゾーンの打球角度は26~30度。打球速度が161キロ以上になると、1.6キロごとに上下2~3度ずつバレルゾーンが広がります。
数字として、「強いスイングでフライを打ち上げることで、長打の可能性が上がる」ということが証明された結果、意図してフライを打ち上げる「フライボール革命」が誕生。そして、メジャーリーグ全体の流行となりました。
そして、「フライボール革命」が流行した結果、2017年のメジャーリーグ全体のホームラン数はなんと歴代最多の6510本。 2016年の5610本よりも約500本もホームラン数が増加しました。
プロ野球に着々と浸透し始めているフライボール革命
メジャーリーグでは「フライボール革命」が浸透し、「フライボール革命にはカーブが有効」と対応策まで練られるようになっています。一方、プロ野球では?
まだ、プロ野球全体やチーム単位で「フライボール革命」が浸透してはいません。しかし、個人単位では、フライを打ち上げる意識で打撃に取り組んでいる選手は増えつつあります。楽天のオコエ瑠偉選手は2017シーズン前半に「フライボール革命」を取り入れ、8月に昇格すると、打率.300 3本塁打の好成績を残しました。また、柳田選手、ゲレーロ選手はフライを意図的に打ち上げていることを明言しています。
・柳田悠岐選手「とにかくフライを打つことがテーマです」
→2017年 ホームラン31本 OPS1.016をマーク。
・ゲレーロ選手「理想の角度は50度。高く打ち上げてもスピンがかかれば打球は簡単に失速しないんだ」
→35本塁打を放ち、2017年ホームラン王に輝く。
2018年、さらにプロ野球で「フライボール革命」は日本に浸透していくでしょう。
M号になり、軟式野球でもフライボール革命がやってくる!?
さらに、「叩きの野球」が従来のセオリーであった軟式野球でも、新公認球M号ボールの導入で、「フライボール革命」の流れがやってくるのではないかと予想しています。
これまで、ボールの下を叩くと潰れてしまい、ポップフライになることが多かった軟式ボール(A号)。しかし、硬度と反発力が上がったM号ボールは、硬式ボールに近づき、ボールの下を叩いても潰れず、スピンをかけて飛ばせるようになるでしょう。
実際に、2017年に行われたホームラン競争では、アッパー気味のスイング軌道で打ち上げ、ホームランを量産している打者が多く見受けられました。
これまで、叩いてコツコツと点を取るスタイルが主流だった軟式野球。ボールが飛ぶようになったことで、フライボール革命で長打を狙う選手が増え、点の取り合いになっていくかもしれません。
「フライボール革命」信じるか/信じないか・試してみるか/みないか・活躍するか/しないか 全てはあなた次第
これまで、日本球界では「アッパースイングは悪」という風潮がありました。いや、もしかしたら今でもその風潮はあるかもしれません。一方で、アメリカの選手たちは、データに基づき、素直に「フライボール革命」を試して見た結果、大きな成果を上げました。
「周囲に惑わされず、いろいろなことを試してみて、自分に合ったものを取り入れる。もし合わなければ、すぐにやめればいい」
日本の全ての野球プレイヤーが「フライボール革命」も、他の新たな理論も、どんどん試していき、良いプレーが生まれていくことを期待しています!
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