今後さらに増えていく?都立高校上位進出と出身プロ野球選手の増加 その背景にあるもの
史上初の都立高出身ドラ1 ロッテ佐々木千隼
2016年のドラフトは好投手が豊作の1年。その中でもひときわ輝く選手がいました。
ロッテに1位指名された桜美林大学・佐々木千隼投手。彼は高校時代、都立日野高校の野球部のエースでした。最後の夏の大会では、早稲田実業相手に相手に延長13回3失点完投勝利、惜しくも準々決勝で日大三高に敗れるも、チームをベスト8へ導きました。その後の桜美林大学に進むと、才能が一気に開花。プロに指名されるまでの実力になりました。
都立高校の転換期
ひと昔前までは、都立と私立には、なかなか越えられない壁というものがあり、甲子園出場やプロ選手の輩出は遠いものであったといえるでしょう。しかし、都立高校のターニングポイントは1999年。都立城東高校の甲子園初出場です。その2年後の2001年にも出場、2003年には雪谷高校が出場するなど都立高校が甲子園へ行くことが夢ではなく目標に変わります。この時を境に優秀な選手・指導者が少しずつ集まる流れがおきてきました。実際に「甲子園出場」を成し遂げたチームが出てきたことで、他の都立高校も具体的な目標としてイメージしやすくなってきたのでしょう。
前例が与える勇気
1999年の都立城東高校は都立高校全体に「甲子園」という目標を、プロに入団・活躍した選手たちは都立高校の選手たちに「プロ入り」という目標を、より具体的にイメージしやすいものとしていきます。
今回、ドラフト1位指名された佐々木千隼投手は、都立高の野球部員へ
「都立からでもプロになれると証明できた。頑張って」
とエールを送り、プロ入り後の活躍を誓います。
2014年、史上3人目の都立高出身投手として勝利を挙げた秋吉亮投手(足立新田高校)は3年連続で60試合以上登板、オールスター出場と活躍を続けています。
秋吉投手は、中学卒業後に高校を
「試合に出ることを考えて選んだ」
と言います。
自ら考えて選択し、結果を出した選手の言葉は、後を追う選手たちの背中を押します。その選択や今やっていることは正しいと。
「都立の星」という言葉がなくなる日
環境面の充実も都立高校を後押ししています。『東京都高校野球研究会』によって指導者同士の横のつながりも増え、東京都全体の指導者の質も向上。強豪私立高校に勝つためには?良い選手を育てるためには?と積極的な学びの姿勢を持つ都立高校の指導者たちは増え、力をつけ、さらに今後、都立高校の上位進出や都立高校出身のプロ野球選手は増えていくのではないでしょうか。
私自身、高校時代は都立高校の野球部に所属していました。その頃と現在とでは、全く違った状況になっているでしょう。目標を持ちやすく、目標に向けた努力もしやすい環境。「都立の星」という言葉すら薄れるほどの活躍を期待しています。
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