絶滅寸前からついに復活?アンダースロー投手

  • 2015/8/20
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アンダースロー復権!?

ヤクルトの山中浩史投手が球団では国鉄時代の58年金田正一投手以来の6戦6勝を果たしました。金田投手は開幕戦のその年9戦9勝しましたが、うち3勝はリリーフのため初登板からオール先発で6戦6勝は球団史上初めてです。

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アンダースローの特徴

アンダースロー投手は、通称サブマリンと呼ばれ、下手投げとも言われます。実は、アンダースローという呼び方は和製英語で、英語ではサブマリンと呼びます。ボールがバッターの手元で浮き上がる様を、潜水艦が水面から浮き上がってくるのと重ね合わせたためにこのような名前になりました。プロ野球では、山田久志投手、松沼博久投手、渡辺俊介投手、牧田和久投手などのアンダースローの投手が有名なのではないでしょうか。

 

アンダースローのメリット

下からボールを投げるのでバッターの手元で浮き上がってくる感覚になるので、普通のストレートでも打ちにくいストレートとなります。手元でホップしているような錯覚に陥ると言われ、普通のストレートではない感覚になってしまいます。また、このフォームは、非常に少数派で、チームに一人いるとかなり貴重な戦力となります。慣れていないバッターに対しては非常に有利になりますし、アンダースローの軌道を再現できるピッチングマシンも少ないため、打者はアンダースローを打つ練習が難しいのが現状で、なかなかその起動に慣れないのがメリットですね。変化球は、スライダーやシンカーなどの横回転の変化球が非常に有効になります。オーバースローに比べると肩や肘に疲労が集中せず、腕にかかる負担が少ないのはメリットと言われています。肩、肘を壊した投手がアンダースローに転向する事もあるくらいです。アンダースローの投手は、たいてい故障の少ない息の長い投手になりがちです。

 

アンダースローのデメリット

スピードのあるストレートを投げることが難しくなってしまいます。プロであっても130km/hを計測すれば早い部類と言え、山中投手や渡辺俊介投手のストレートは120km/h台がほとんどです。そのためストレートが遅く狙われやすいという点がデメリットです。走者を背負った際には、アンダースローはフォームが大きいために、クイックモーションが難しく、またスピードも遅いため、盗塁をされやすくなります。また、体勢的にかなり特徴的な投法のため、人一倍強靭で柔軟な足腰と手首が必要となります。他の投法に比べて身体全体で投げる投法なので、体幹など、体全体を鍛える必要があります。

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アンダースローはタイミングが鍵?

このようなデメリットに対しても、牧田投手や山中投手はストレートを速く見せるために緩急を有効に使ったり、フォームを微妙に変化させたりすることで巧妙に打者のタイミングを外して、対応しています。

 

近年ではレアなアンダースロー対決

アンダースロー投手は近年ではめっきり少なくなったため、6月12日の西武・牧田投手とヤクルト・山中投手の先発投手がアンダースロー対決は非常に珍しい対決となりました。西武・牧田投手とロッテ・渡辺俊介投手が2011年4月7日の練習試合で対決しましたが、公式戦では実現しませんでした。1980年代のパ・リーグはアンダースローの投手が多く、87年の阪急・山田久志投手とロッテ・深沢恵雄投手の対決(2度=4月18日と6月6日)などがあり、80年10月5日には同一日に2試合(阪急・山田久志と日本ハム・高橋直樹、西武・松沼博久とロッテ・仁科時成)がありました。また日本シリーズでは82年10月27日(第4戦)に中日・三沢淳と西武・松沼博の先発対決があります。

 

メジャーや世界を相手に

WBCなど世界を舞台とした戦いでは、海外の選手がアンダースロー投手に慣れていないことから、渡辺俊介投手や牧田投手は大きな戦力となりました。まだ日本のアンダースロー投手がメジャーリーグに移籍した例はありませんが、これからも日本のお家芸投法として、アンダースロー投手がメジャーやWBCを舞台として活躍してほしいですね。

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