ひたすらに理想の打撃を追い求めバットを振った侍『天才』前田智徳 語録
- 2015/6/28
- プロ野球
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「求道者」「天才」「侍」
元広島東洋カープの前田智徳選手を形容する時、周囲の人々はこう言います。イチロー選手、落合博満選手も一目置く打撃技術を持った前田選手はただひたすらに「自分の追い求める理想の打撃」を追い求めて行きました。彼が残した発言には、その打撃に対する姿勢、そして野球に対する情熱がにじみ出ています。
選手・前田智徳は一体何を考えていたのか。今回は前田智徳さんの選手時代の発言をまとめてみました。
「右肩や右腕が痛くなることもあるが、それがいい。痛くなるのは限界を超えると言うこと。痛みが消えればそれ以上の力が付いたと言うことになる」
「自分を追い詰めるのは恐怖から。今日打てても明日打てると言う保証はない。毎日が怖くてたまらんのですよ」
「バッティングは好きですけど、野球は嫌いですね。守ることも走ることも好きじゃない」
「この足(右足)はもう元通りにはならないだろうし、いっその事、もう片方(左足)も切れて欲しい。そうすれば身体のバランスが良くなるらしい。それで元に戻るんだったら」
「前田智徳という打者はもう死にました」
「プレーしているのは僕じゃなく、僕の弟です」
(1995年、前田選手は右アキレス腱断裂という大怪我を負いました。その怪我に対するコメント)
「試合はオマケみたいなもん。大事なんは、毎日同じ練習を続けること」
「来た球を打つんですよ」
「狙ったら、誰でもある程度は打てますよ。狙わんでも打つところに価値がある」
「自分に悔しくて泣いたんですよ。(ミスを)取り返さんといけんかった打席で、センターフライに倒れてしまった。あそこで打てんかった自分は本物やない。そのことに腹が立って泣いたんです。最後にホームランを打ったところで、自分のミスは何ら消えることがない。あの日、自分は負けたんです」
(1992年9月13日の巨人戦。北別府学の200勝のかけた試合のことでした。センターの前田選手は打球を後逸し、ランニングホームランにしてしまい、北別府投手の勝ち投手の権利を消してしまいました。前田は8回に決勝打となる勝ち越し2ランを放ち、涙を流しながらダイヤモンドを一周。)
「僕はそれほど体に恵まれているわけじゃない。でも体が小さいからといって、ヒットをコツコツというのは僕は嫌なんです。何と言うか、大きい人を見返したい、自分で這い上がりたいというのが僕は好きなんです。だから、ホームランにはこだわりたい」
(「理想の打球は?」と問われ)
「ファールならあります。」
「どんな打球が理想かと問われても、まだよう分からんですけど。イメージとしては頭にあるんです。それを言葉にできれば苦労しないんでしょうけどね。とにかく、(理想の打球の追求は)簡単に諦めたくない。そのこだわりがなくなったら、僕はおしまいでしょう」
「内容のいいヒット、自分で納得出来るヒットを一本でも多く打ちたい。それしか考えていません」
「僕は自分の決めたこと、自分の意志に対しては絶対に負けたくないと言う気持ちがある。」
前田選手を評する声
「僕なんて天才じゃない。真の天才とは前田さんのことを言うんですよ」 ーイチロー選手
「バッティングが素晴らしい。尚且つ凄味がある。バットを振り込んでいるなと言う感じが、守っていても伝わってくる。左方向に打てるから率も残る。チャンスに強い。いつも打ちそうな雰囲気が打席に漂っている」 ー松井秀喜氏
「彼は自分のためになると思ったら、とことんそれをつきつめて行く力がある。その反面、野球に対する意識がひとつ飛び越えたところにあるだけに、仲間から浮いてしまう危険性がないこともない。」水谷実雄氏(元打撃コーチ)
「オレは天才なんかじゃない。本当の天才は前田智徳。打撃フォームがシンプルで無駄が無い。野球を始める子供達が是非参考にすべき教科書のような打撃フォーム。」ー落合博満氏
「トップの位置がピタッと決まって軸がブレないし、フォームも崩れない。相手ピッチャーに関係無く、全て自分のスイングで処理している。」ー山本浩二氏
一流に認められる一流
前田智徳選手は、まさにそういった選手でした。
「広島東洋カープで一途に野球ができた事を誇りに思います」
前田智徳選手の選手生活が、紹介した言葉の一つ一つににじみ出ています。これほどまでに自分に厳しく、志高くバッティングを追い求めた前田選手だからこそ、ファンやプレーヤーに一目置かれる選手だったのでしょう。今は解説者としてご活躍されておられますので、現役時代には語らなかった自身の持論や思いなどどんどんを言葉にしていってほしいですね!
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