決着はシーズン最終戦に?!球史に残る優勝決定戦『10.8決戦』を振り返る!
- 2015/2/2
- プロ野球
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記憶に残るあの試合は?
そう問われて、あなたはどの試合を挙げますか?長いプロ野球史の中で、語り継がれる試合は数々あります。
『10.8決戦』
1994年のリーグ優勝の争いがシーズンの最後の最後までもつれ、最終戦(10月8日)に勝利した方が長いシーズンの覇者となるという究極の試合となりました。この試合も多くのプロ野球ファンにとっての記憶に強く残っている試合と言えるでしょう。この試合は当時読売ジャイアンツの指揮を執っていた長嶋茂雄監督も『国民的行事』と称し、試合前から大きく注目を集めていました。 そして、日本中が注目する中で、試合展開は劇的なものとなりました。この『10.8決戦』。改めて振り返ってみました!
世紀の一戦のスターティングメンバー
巨人
- 1番 ヘンリー・コトー
- 2番 川相昌弘
- 3番 松井秀喜
- 4番 落合博満
- 5番 原辰徳
- 6番 ダン・グラッデン
- 7番 元木大介
- 8番 村田真一
- 9番 槙原寛己
中日
- 1番 清水雅治
- 2番 小森哲也
- 3番 立浪和義
- 4番 大豊泰昭
- 5番 アロンゾ・パウエル
- 6番 仁村徹
- 7番 彦野利勝
- 8番 中村武志
- 9番 今中慎二
巨人は高卒2年目の松井選手と、巨人移籍1年目の落合選手と現在は巨人の指揮官を務める原選手と豪華なクリーンナップ。対する中日も引退後は名球会入りを果たす立浪選手が3番に入り、この年の本塁打・打点の二冠王の大豊選手、首位打者のパウエル選手が続く強力打線でした。先発投手は、中日はシーズンで13勝を挙げたエース今中投手、巨人は先発三本柱の一角であった槙原投手。当時中日の本拠地であったナゴヤ球場のナイターで、運命の一戦の火蓋は切って落とされました。
試合展開は、運命の最終決戦にふさわしい壮絶なものとなりました。普段行われないようなプレーや采配、そして球場の雰囲気が極限の緊張感を生み出していました。
松井選手のバント
落合選手の先制ソロホームランなどで2点を先制したものの、その裏すぐに中日に追いつかれてしまいます。巨人は3回、ヒットで出塁した川相選手を3番の松井選手が送りバントを決めます。松井選手がバントを記録したのは、生涯でたったの3度でした。これでチャンスを広げた巨人は落合選手のタイムリーで1点を勝ち越しました。その後、巨人は村田選手、コトー選手、松井選手のホームランで着々と加点し、5回終わって6-2とします。
巨人、決死の先発三本柱リレー
この試合を語る上で、欠かせないのが巨人長嶋監督の継投策でしょう。槙原投手、斎藤雅投手、桑田投手のシーズン中に先発三本柱として活躍した3投手を登板させました。2回に追いつかれた場面で槙原投手からすぐさま斎藤雅投手へスイッチし、中日の勝ち越しを許しませんでした。7回からは前日に長嶋監督から「しびれるところで行くぞ」と言われていた桑田選手が登板しました。斎藤雅投手は中1日、桑田投手は中2日での登板でした。
立浪選手の気迫のヘッドスライディング
6回に1点を返すも、巨人の先発三本柱リレーを前に打ちあぐねていた中日。8回、先頭の立浪選手が気迫のプレーを見せます。サードへ打球を放つと、必死のヘッドスライディング。内野安打とするも、このプレーで左肩を脱臼。このプレーは、この試合にかける執念の大きさを物語った壮絶なプレーでした。
一つ一つのプレーに息を飲む、異様な球場の雰囲気
グラウンドでプレー選手のみならず、スタンドで観戦するファンたちにも緊張感がまとっていました。まさに「異様」という言葉がふさわしい球場の雰囲気。この試合を球場で観戦していたイチロー選手(当時オリックス)は、
「こんなすごい雰囲気で試合できるなんて、うらやましい。一野球ファンとして、のめり込んで見ました」
と話していました。
そして、21時22分。激戦に終止符。最終回もマウンドに上がった桑田投手が、小森選手を三振に抑え、ゲームセット。巨人が6-3で中日を下し、リーグ優勝を決めました。
試合を振り返ってみただけで、手に汗握るこの試合。実際に観戦したファンの方々はとてもうらやましいですね。これからのプロ野球でも、『10.8決戦』に並ぶような劇的なゲームが増えていくことを期待しましょう!
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