まさにレジェンド!一気に多くの記録を同年に更新したイチローとバリー・ボンズ
- 2015/8/30
- メジャーリーグ
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2人のレジェンドが揃って躍動した年
今年も日米通算安打記録やメジャー通算3000本安打へのカウントダウンなど、数々の記録に周囲が沸いているイチロー選手ですがイチロー選手のキャリアハイと聞かれると、やはり多くの人は2004年と答えるのではないでしょうか。
2004年はイチロー選手がジョージ・シスラー選手の257安打というメジャーリーグ記録を84年ぶりに更新する262安打を放った年です。なお、マリナーズ時代、セーフコ・フィールドの右翼席最前列に、イチローの年間安打数をカウントする「ICHI-METER(イチ・メーター)」という手作りの紙ボードを掲げるエイミーさんという女性ファンが今ではすっかり有名になりましたが、彼女がこのボードを掲げ始めたのもこの2004年です。
また、サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズ選手も同年に前人未到の記録を打ち立てます。ボンズ選手と言えば2001年に、マーク・マグワイア選手の70本塁打を超える73本塁打を記録し、その記録は現在もなお破られていません。しかし、2004年は本塁打もさることながら、打者としての総合的な数値においてとてつもない記録を打ち立てました。
イチロー:メジャー歴代シーズン最多安打を84年ぶりに更新
当時のイチロー選手はスロースターターと言われ、4月は打率.255と例年同様に低調なスタートとなりました。しかし5月には調子を上げ、日米通算2000安打を達成すると共に自身2度目の月間50安打を記録。6月にやや調子を落としますが、7月には1試合5安打を記録するなど再び調子を上げて51安打を放ち、ジョー・メドウィック以来68年ぶりとなるシーズン2度の月間50安打を達成します。そして8月3日には首位打者に浮上しました。8月26日にはメジャー史上初となるデビューから4年連続200安打記録を本塁打で自己最速にて達成し、31日に球団記録であるアレックス・ロドリゲスの月間54安打を更新すると、68年ぶりにロイ・ウェザリーの月間56安打のタイ記録に並びました。同時にシーズン月間50安打を3度記録し、68年ぶりに記録を更新しました。そしてついに10月1日、本拠地セーフコ・フィールドでのテキサス・レンジャーズ戦では、84年間破られることのなかったジョージ・シスラーのメジャー歴代シーズン最多安打記録の257安打を更新し、最終的に262安打まで安打数を伸ばしました。
The 5ツールプレイヤー
バリー・ボンズ選手と言えば、MLB歴代1位記録となる通算762本塁打、シーズン73本塁打、史上唯一の500本塁打500盗塁など、そのキャリアを通じて数々の未踏の記録を残してきました。20代の頃からhitting for average(バッティング・ミート)・hitting for power(パワー)・baserunning skills and speed(走塁技術とスピード)・fielding ability(守備力)・throwing ability(送球能力)の5項目が高水準の実力を備えている選手を指す5ツールプレイヤーと呼ばれ、日本でも定着したトリプルスリー(3割30本塁打30盗塁)を3度、フォーティー・フォーティ―(3割40本塁打40盗塁)を1度記録しています。一方で晩年には薬物使用が囁かれるなどダーティーなイメージも付きまといました。
ボンズ:ベーブ・ルースの記録を84年ぶりに更新
まずはバリー・ボンズ選手の2004年の成績をご覧ください。
2004年 147試合 打率.362(373-135) 45本 101打点 232四死球 出塁率.609 OPS1.422
打率・本塁打・打点ともにハイレベルな数値ですが、特筆すべきは四死球の数で何と年間232四死球で、そのうち敬遠は120を数えます。この年の打席数は617ですので、3分の1以上の打席が四死球ということになります。そのため出塁率は驚異の6割越えで、OPSはリーグを代表するレベルの基準とされている1.0をはるかに上回る1.422です。1920年のベーブ・ルースのメジャー記録1.382を84年ぶりに更新しました。ちなみに日本記録は1974年の王貞治さんで1.293が最高です。阪神のランディー・バース選手が三冠王を獲得した1986年で1.258、ヤクルトのバレンティン選手が60本塁打した2013年でも1.234ですからその段違いの数値がお分かりいただけると思います。
また、長打力や選球眼だけでなく、ミート力のずば抜けた高さもボンズ選手の特徴です。2004年は45本塁打でしたが三振がこれを下回る41という少なさだったことからも分かります。ボンズ選手はキャリア一年目に102三振を記録して以降、一度も100三振以上していません。元々三振が少ない打者でしたが、2001年に73本塁打を記録して以降は本塁打率が極端に上昇したのにも関わらず、三振率は以前と同程度を維持していました。
共に84年ぶり!
このように2004年はイチロー選手・ボンズ選手共に前人未到の記録を達成した年でした。当時、日本では連日イチロー選手の安打数や打率の報道ばかりされていたように思えますがその陰で実はボンズ選手もとてつもない成績を収めていたのです。そしてイチロー選手がジョージ・シスラーの安打記録を、ボンズ選手がベーブ・ルースのOPS記録を更新しましたが、共に1920年の記録だったというのも不思議な縁ですね。
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